ミムラ写真研究所: 4月 2008

2008年4月24日木曜日

F1.4のレンズを考える/AFニッコール50mm,MFニッコール85mm

F1.4の手持ちの明るいレンズを考える

 ニッコールのAF50mmとMF85mmが私のところには、1.4の明るさを持つレンズがある。デジタルカメラは、ニコンは、DX1まで使用したが、フルサイズのカメラがニコンから発売されなかったため、キヤノンにカメラを替えた。
 しかし、今更レンズを売ってしまっても面白くないので、キヤノンのカメラに使用してレンズテストをしている。その2本を試した物のレポートを画像と一緒に検証していく。
 使用したカメラは、キヤノンEOS40Dである。キヤノンEOS1DsMark2もあるのだが、F1.4の明るさになると目で合わせる精度がいい加減になってしまう。外は雨なので、陽の光も弱いので、よけいにピント合わせが大変なのでこのカメラのライブビューの機構を使って正確なピント合わせがしたかった。
 また、ケンコーのテレコンバーターの1.4倍の物を付けても撮影してみたので、参考にしてほしい。
 40Dに50mmのレンズを装着すると、キヤノンのAPSサイズのセンサーのカメラだと1.6倍になるので、焦点距離は、80mmになる。ポートレートを撮影するのに良い画角になる。F1.4で撮影するとやはり解放では全体的にシャープさや解像度は落ちる。このレンズも画像の通り、やはり、画像は甘い気がする。しかし、ひと絞り絞るごとに画像は良くなり、シャープになってくる。2絞り絞れば問題のない画像になってくる。
 1.4倍のコンバーションレンズを装着した画像は、112mmの画像になるが、全体的にフレアーが起きていて、ソフトフォーカスレンズのような画像になってしまう。中心部分を拾っているので、もっと良い画像を望んでいたのだが、このコンバーションレンズの性能のためだろうか、画像は良い物とは言えなく、絞っても、やはり、画像に現れる線は滲んでいた。
 次に85mmF1.4のレンズを装着してみた。このレンズは、ニコンが初めて出した望遠系の1.4のレンズである。発売前からの予約で購入した物だ。今のAFレンズに比べると解像度が悪いと言われているが、画像を見る限りでは、なかなかの画像である。もちろん解放では、いくらかの滲みが出ている。焦点距離は、136mmのF1.4のレンズになる。そう考えると、高級なレンズのような気がしてならない錯覚を起こしてしまう。絞りをF2に絞った頃からシャープさと解像度は増してきて、しっかりした画像を結んでくる。ひと絞り絞っての撮影な画像の問題はなさそうである。
 コンバーションレンズを付けてみた。50mmのときに使用したケンコーの1.4倍の物であるが、画像はソフトレンズコンバーターと思える画像を結ぶ。画質の低下が大きく絞ってもあまり改善されてこないようだ。別な使い方をすれば面白いのかもしれない。レンズの焦点距離は190.4mmとなるので、望遠の焦点距離になる。
 ISOの感度は、400で撮影したのだが、雨模様にも関わらず、シャッター速度は8000分の1秒で解放の絞りの値で撮影できた。大きく伸ばす画像を作るときは、やはり、ノイズ処理をしないでも済む低感度の撮影には、画像の良さは変わらないだろうから、明るいレンズは高額で重い物だが欲しいレンズの一つになってしまうのだろう。




2008年4月23日水曜日

キヤノンEOS40Dのライブビューを有効に使う



 最新のデジタル一眼レフカメラEOS40Dのライブビューをフル活用する。

 新しいデジタル一眼レフカメラは、カメラの機能にライブビューの機能が付いているカメラが多い。このカメラの機能は使ってみなければ解らない優れた機能がある。例えば、古いオートフォーカスの機能がないレンズをレンズアダプターを使用して、ピントを合わせるのにとても有効な働きをする。
 まして、ファインダー視野率の低いAPSサイズのセンサーを使用したカメラには役に立つ。
 実験してみたのは、EOS40Dのカメラにレンズアダプターを着け、ニッコール85mmF1.4のマニアルレンズを付けて撮影してみた。普通にファインダーを覗いてのピント合わせをしてみたが、フォーカスエイドはニコンのレンズなので効かない。撮影の結果は、やや後ピンになった。もちろん、レンズの絞りは解放の1.4で撮影してみた。
 次に、ライブビューを使用して撮影してみた。ライブビューをオンにして、レンズのピントリングで液晶の画像を見ながらピントを合わせる。5倍や10倍になるので正確に合わせたいときは、10倍にしてピントを合わせるのが懸命だろうと思う。そして、普通のサイズに液晶を戻した表示にして、レリーズを切る。撮影された物は、ピントの合わせたところにピントが合っている。
 当たり前のことだと思われるが、人間の目は、長時間過酷に目を使用すると焦点がズレるときがある。二日酔いや、体の疲れ具合によっても目の疲れ具合でもそのようなことがよくある物で、まして、暗がりのときには、普段の視力の6分の1の精度しか保てない目は、カメラの焦点を合わせる精度の方が上回る場合がしばしばあるのだ。
 自分の目を過信せずに、良い写真を撮ることを考えれば、このライブビューの機能をフル活用して良い写真を撮影したい物である。また、これから購入することを考えているならば、この機能は、少し値段が高くなっても買った方が後々、撮影するのにいい結果を生む。画像を目で合わせた物とライブビューで合わせた物を参考に添付しておく。画像のピントは、金網に合わせてある。

2008年4月19日土曜日

デジタル一眼レフに便利な液晶フード


 野外での撮影と液晶を傷から守るのには便利なものが発売されていた。液晶にフードを付けられて、すぐに脱着できるe写真ドットコムから発売されている物。脱着もファインダーのところに付けるだけだから簡単に装着できるのもうれしい。2,380円と今まで出ていた物よりも安いのかもしれない。

光をコントロールできるラベンシーフラッシュディフュザー



 このフラッシュに取り付けるディフュザーはなかなか優れものである。真上に向けても、本体の横の部分から光が出てくるので、補助光になり2灯の光を当てた効果があるし、ストレートに被写体に向けても、光が広角的にムラなく光が届く。

 先端の部分は、光源に応じてタングステン用の物に変更できるので、フラッシュを焚いてもほとんどの色補正が可能になる。もちろん、フィルターをフラッシュの発光部に挟む方法があるが、この方がより効果的な気がするのだ。
 この物は、e写真ドットコムの通信販売で購入したのだが、いろいろな写真便利グッツが多くあるので、覗いてみると良い。
ホームページは http://esyashin.com/
 

2008年4月10日木曜日

ニコンD3,ニコンD300,キヤノンEOS1DsMark2,キヤノンEOS40DのISO感度1600の画像比較



 最近発売されたカメラの多くは、実用感度が高めに設定され、撮影してもあまりノイズが出なくなってきている。小型コンパクトカメラも、その技術が導入される昨今、キヤノンとニコンのデジタル一眼レフカメラでその比較をしてみた。

 キヤノンの1台は、ひと世代前の機種のEOS1DsMark2になるけれども、比較をしてみた
レポートをする。
 レンズは、ニコンのニッコールマイクロ60mmF2.8のレンズをキヤノンのカメラにレンズマウントアダプターを使用して撮影して、レンズをどのカメラにも共通にしてみた。画像は、同じ画像サイズの原寸サイズから抜き出してみた。
 一番結果の良かったのは、ニコンD3の結果だった。ノイズ処理が奇麗になされており、充分に通常の撮影に使える範囲である。仕事には、3200までの感度に上げても問題はなかった。ニコンのフラグシップ機にふさわしい結果であった。
 次にいい結果だったのがキヤノンEOS40Dの結果で、1600までの撮影のノイズ処理は奇麗にされていて問題はない。元々キヤノンのカメラは、高感度に比較的強いようである。40Dに関しては1600以上は、14bitの階調の幅での拡張になるのでRAWの記録は出来ない。3200までの拡張だが記録はJPGとして記録されるようになる。
 その次にニコンD300とキヤノンEOS1DsMark2が同じような結果になり、ひと世代前のキヤノンのカメラの性能の良さが伺える。見た目に粒状性が見えるが気になる大きさではないので問題なく使用できる範囲であろう。画像は、暗部の部分の粒子のノイズを確認してもらえればその優劣がはっきりしてくると思うので、撮影したものを拡大してみて頂きたい。
参考までに、それ以上のニコンD300のデータも添付してみたので、粒状性の変化も見て頂きたい。
 
その他のブログ等の私のサイトは下記からアクセスしてみて下さい。

http://disital-kiss5.blogspot.com/

水戸ブログ

http://mito-blog.blogspot.com/

茨城ブログ

http://ibaraki-blog.blogspot.com/

ミムラの独り言

http://mi-mu.blogspot.com/


web写真集

水戸偕楽園の梅ランドスケープ180°/三村タカシ

http://gallery.mac.com/mimura3#100183

水戸弘道館の梅180°ラウンドスケープ/三村タカシ

http://gallery.mac.com/mimura3#100175

東京魚眼/web写真集

http://gallery.mac.com/mimura3#100012

水戸魚眼観/web写真集



2008年4月7日月曜日

ニコンD3のテストレポート/D3の実力






ニコンD3のテストレポート

 先日ニコンD3を使用した仕事があって、2日間で、6,000枚の舞台撮影をした。そのときの、D3のテストレポートをまとめてみる。
1.連続撮影のレポート
 前もって撮影をしてみた結果だが、レリーズを押しっぱなしで13コマの連続撮影が出来た。カードは、32Gの40倍速のカード使用のものだ。レリーズを押すのには、13枚程連続撮影をした後に、数秒ほどしてからレリーズは何コマかで来たが、すぐに撮影は出来ず、1分ほどしてから普通に撮影できる状態になった。これは画像がカメラ本体のメモリーからカードにデータが転送されるのにかかる時間のために時間を要したものが原因と考えられるが、スペックを見る限りでは、撮影するのにこのようなストレスを感じるとは想像していなかった。
 実際に舞台の撮影においても、続けて撮影しているのは、1秒間に1コマの2秒間隔で撮影を続けていたのだが、20コマほど撮影したところでシャッターは切れなくなってしまった。撮影の記録の設定は、RAW+JPGの同時記録である。
 ニコンは、このD3で1200万画素に画素を押さえた結果、1秒間の撮影出来る枚数が10コマ近くとなり、キヤノンのフル35mmセンサーのEOS1DsMark3の倍のスペックをたたき出している。もちろん、Mark3は、2100画素と約倍の画像のデータを読み込むのだから当然であるが、
このニコンの設定は功を奏している結果がニコンD3の人気の原因とはなっているようだが、レリーズが切れなくなってしまうのはいただけない結果になったのは予想外だった。
上記の画像は、連続撮影の画像。

露出とホワイトバランスの結果
 このカメラで一番完成度の高いのは露出とホワイトバランスだと感じた。あと一つあるのだが、それは別な項目として別に書かせてもらう。露出は、特別なスポットが当たるようなものでなければ、ほとんど問題なく適正露出で撮影できる。もちろん、スポットであってもフォーカスの設定をそのスポットに合わせてあげれば、1絞り以内の露出に治まり、RAWの加工で問題なく奇麗画像が再生できる。ニコンのデジタルカメラは、D1とDX1まで使用したが、フルサイズが発売されなかったので、キヤノンに移行してしまったが、操作性は変わらないので、フォーカスリング等の反対の動きの他は違和感はなかった。背面のフォーカス選択は、キヤノンよりも分かりやすく、咄嗟のときの選択には便利だった。露出の精度は高いのに驚かせれた結果となった。 
 また、ホワイトバランスが奇麗なことは、キヤノンよりも優れているように感じられた。難しい緑や黄色も難なく色を出していたのには驚いた結果になっている。不思議なもので、フィルム時代のニコンらしい黄ばんだ画像になっているのも懐かしさを感じたが、この精度は高いものだった。緑色をキヤノンで撮影すると漏出がオーバーになる結果になり、RAWで補正することがしばしあるのだが、このカメラはその必要がなかった。その画像も撮影したので見て頂きたい。レンズは、VR100-400mmF4.0のレンズで撮影したものである。

ISOの感度の画像の仕上がりの良さ
 次に驚いたのは、感度を3200に上げても使える画像には驚いた。ノイズ処理が旨く行われており、3200で撮影したのにノイズが少ない。A3までの処理だったら問題なく使用できる画像である。さすがに、ニコンが6400までが標準と行っているのには疑問があるが、A4サイズのデータなら頷ける。機材の重量を軽減出来そうだ。もちろん、200がISOの感度の一番いい状態だが、感度を上げることでの極端な画像のノイズは見られない。ノイズは出るのだが、激しく激変しない画像は3200までなら実用範囲である。実用範囲をどの基準にするかは、画像の最終的な大きさの処理の問題になってくるが、3200で撮影する分には、A1までならなんとかなりそうな気がする状態だ。暗部にも、ノイズが気になる部分は見られず、明るいところでも、コントラストが高くなり過ぎて、画像が変化することは少ないようだ。咄嗟の変化に対応できるISO感度の精度が旨くまとまっている。
 カメラ雑誌での評価は、どうやら、メーカーサイドの評価になりやすく、実務的なデータは出ていなく、ニコンD3の評価のいい面だけが出ているが、本当にカメラをユーザー側に伝えることが出来るレポートをしているのだろうかと思うことがある。趣味的にライカのレンズやカメラ等を絶賛するのではなく、仕事的な面やデータとしての事実をレポートしてもらいたいものだ。仕事に使っているのは、デジタルなのだと思うと、変な話で、実際にデジタルカメラに移行したいカメラユーザーは、潜在的に多くいるのだから。

ニコンD3の6,000コマを撮影した総評
 できの良いカメラであることは間違いのないカメラである。露出、ホワイトバランス、操作性の良さ、ISO感度ノイズの少なさと今までのカメラと比べてみても良いカメラである。しかし、実際に使用してみると、画像のデータの転送時間にストレスを感じてしまったのは事実で、写真を撮影したいときにシャッターを切れないストレスは、どうしようもない。この点を解消してくれれば、ニコンのフラグシップ機器のDの付くニコンの伝説は、ニコンのF神話になっていく気がするが、このことは一番大切なことで、単純に撮影したいときに撮影できないことは、画素が多くないことを考えればクリヤーしてほしい問題点である。
 画素が多くて、B0のデータを撮影するときに、画像を大きくするのだから仕方がないと思いながら撮影するときは、大きくすることが前提としてあるので気にはならないが、その制限がないのだったのならば、この点はクリヤーすべき問題のような気がする。