ミムラ写真研究所: キヤノンEF85mmF1.2Lの実力

2008年8月1日金曜日

キヤノンEF85mmF1.2Lの実力






キヤノンの人気レンズEF85mmF1.2Lの実力は?

 キヤノンの現行で発売されているレンズの明るいレンズは、50mmF1.2と85mmF1.,2の2種類がある。50mmF1.0というレンズもあったのだが、今は販売されていない。このレンズは、ぼけ味の奇麗なレンズと評判がいい。F1.2のレンズは、カールツァイスの60周年記念の85mmのレンズが発売されたものだけだ。もちろん、50mmのレンズは、F1.2のレンズやF1.0のレンズは発売されているが、85mmF1.2は、この現行の商品のみである。
 撮影に使用したレンズは、現行のレンズではなく、初代の80mmF1.2のレンズだ。コーティングが多少の違いはあるが、さほどの変更はない。鉛の材料のレンズの使用が2のタイプになって使用されなくなったことと、フォーカスの速度がやや速くなったことが大きな違いだろう。ただ、レンズの素材が変更になったことで、旧型のレンズの方が、性能が良かったという声もあり、中古のレンズで探し求めたのがこのレンズである。程度の良いものでは、15万円前後の値段になるので、このレンズの人気には改めて驚いた。
 カメラは、Mark2と40Dを使用してみたが、フォーカスはじっくりとピントを合わせる感じで、今のレンズの機敏なピント合わせではない。しかし、迷いなくピントを合わせて行く感じで一発でピントを検出して行く感じだ。40Dでは、130mmのF1.2の画角のレンズになる。
 このレンズの明るさは、F1.2の解放の絞りにして野外で撮影すると、シャッターの最高速度でも絞らなくては、適正の露出にはならないから、いかに明るいレンズであるかが解る。F1.2の明るさのわりには解放での解像度はいい感じだ。レンズの周辺はやはり流れ気味というか、解像度は落ちているが気になる程度ではない。それよりも、明るくピントを合わせるメリットを考えれば問題はない。室内の明るさで、ISO800の感度設定でも200分の1秒近くでシャッターが切れるのだから、このことのメリットは大きい。
 F4.0の絞りの値では、問題のない画像になっていて、奇麗な画像が作られていく。ただ、解放でのピントの合う範囲(被写界深度)が狭いので、きちんとピントを合わせるところを考慮しなければ良い写真は撮れない。
 ズームレンズの便利さを考えると、単体のレンズは選択しにくいが、レンズの個性的な描写や歪みは、いくら高性能なレンズが出たとしても、単体レンズにはかなわないだろうと思う。
 ニコンは、レンズの構造上、広角の明るいレンズは、AFのレンズでは発売されていないことが、高感度でも奇麗な画像を作ることの技術の向上にはなったが、本当の良いレンズを作るためには、Fマウントからの変更をしなければいけないことになるだろうと思うが、レンズやカメラの売れ行きを考えればその変更はなさそうだ。
 しっかりとしたレンズの固まりのようなこのキヤノンのEF85mmF1.4Lのレンズだが、私のレンズのラインナップの常用レンズの一本になりそうな描写のレンズであることには間違いはなさそうだ。

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